「う~い~」


電車の発車ベルがなると、親友の真理(まり)ちゃんが、ぎゅっと抱きついてきた。


ぼろぼろ涙をこぼしながら、私の名前を呼ぶ。


これからはそう簡単には会えなくなる…。


そう思うと、私の目頭もじわっと熱くなった。


でも…


「大丈夫!一生会えなくなる訳じゃないもんっ!夏休みは会いにくるし、メールも電話もする!」


そう言うと、真理ちゃんは何か言いたげだったけど、私の体からすっと離れた。

「絶対、絶対忘れないでね?」


不安そうに真理ちゃんが私の顔を上目遣いで見上げる。