「え...」
あたしは小さく呟いた。
...なんだもう答えは決まっていたんだ...
「っ...」
視界が涙で見えなくなったとき、
「すいません、乗ります!!!」
発車ギリギリで冴島君が乗ってきた...!
「はぁ...はぁ...」
息を切らしながら冴島君はゆっくりあたしに向かってきた。
「さ、えじま君...」
「桐谷さん...聞いて?」
それから冴島君は自分の気持ちを伝えてくれた。
「俺...つい最近まで幼なじみの彼女がいたんだ」
「だけど、お互い別々の学校で忙しくて...彼女は他に好きな人が出来たらしくて」
「このままじゃ辛いだけだから...別れたんだ」
...そうだったんだ。
それなのに冴島君はいつも笑顔で話してくれた...
「だからしばらく恋愛はしたくなかった。」
けど...
そういって冴島君はとびきりの笑顔で
「桐谷さんは違った...俺の中でいつも輝いていて...気がついたら好きになっていたんだ。」
うそ...?
うそじゃないよね??こんなに幸せな気分は本物だよね?
「俺も...奈緒のことが、好きです」