「はぁっ…はぁ…ぎ、ぎりま、にあった…」

本当にギリギリだった。
あと少し遅かったら完璧遅刻してたよ
専門学校の敷地内にあるベンチで少し休んでから校内を回ろう。
体験入学とは名ばかりで好きに回って良いですよと係の人に言われたため、好きに回りたいのだが…

なんせひきこもり。ふだん動かないから体力がとてもない。
しかも走ったから元々それほどない体力は0に近くなっている。


「はぁ…どこ行こうかな…」


パンフレットを見てなにをしているのかを見てめぼしいものがないかと探していると急に目の前が薄暗くなった。


「ん…?」


「君、体験入学生?」


「そう…ですけど…」

誰だ!?なんだこの優男オーラの出てる人は!クラスの猿みたいな男子とは比べ物にならないぞ!!


「ほんと!?良かったら俺のクラス来てみない?」


「え、あの…」


「実は誰も来なくて体験入学生つれてこいって言われてんだよね〜…」


「ちょ…」


「俺は光。よろしく」


「あ、ご丁寧にどうm」


「俺達の教室はこっちだから」


「うぇ!?ちょ…うえええ!!?」


色々聞きたいことがあったのだが訊ねる暇もなく連行もとい拉致された。



これが光…コウちゃんとの出会いだった。