「悠〜!はやく起きないと体験入学遅れちゃうよ!」


朝、聞き慣れた目覚ましと母の声で目をさました。


「ああ、そういえば今日体験入学だっけ…忘れてた…」


正直言えばあまり乗り気ではなく、母や学校の先生から勧められたから行ってみる。という感じだ。

私はまだ覚醒しきっていない体を引きずりながら身支度をはじめる。
来てしまったのだから、今更うだうだ言っていても始まらない。

行くしかないのだ。嫌だけど。


身支度を終えてリビングへ。

「ほら早く食べちゃいなさい」


「ん。あれ、咲は?」

咲というのは妹の名で、中学生の生意気な子だ。

「今日はなんか朝からあるんだって。というかあんたが起きんの遅いのよ」


「良いじゃん。ちゃんと起きたし。まだ間に合うし…」

朝食に用意されていたパンを食べながら妹が見ていったであろう朝番組を見る。

(昔から変わんないなこの司会…何歳だよ)

内心でツッコミながらまったりしていれば家を出なくては行けない時間に。

「時間だしもう出るね。いってきまーす」


「はーい いってらっしゃい」