そのまま、境内を走って入る。


父さんに謝って、ちゃんと掃除しなくちゃ。


わかっているけど、今は、父さんの顔が見れない。



玄関を、開ける。



「誠!いままでどこで遊んでた!」



やっぱり。



玄関に父さんが腕を組んで立っていた。


「ごめんなさい。シャワーだけ浴びたら、すぐ掃除やります」


ボクは顔を背けたまま、スニーカーを蹴りながら脱いで、父さんの横をすり抜けた。



後で殴られてもいい。



今だけは、父さんの顔が見れない。



お酒を飲んだことだってばれちゃうだろうし、なにより。



オトコとキスして、感じて、収まらないままなんて、絶対にバレたくない。



「おい誠!なんだその態度は!」



父さんが、何か大声で言っている。



ボクは構わず、お風呂場に飛び込んだ。