え……?

林くんが、あの、運転手のおじさんの?
ボクのせいで、仕事も辞めさせられちゃった、って聞いてた。
ボク、いつか謝りに行かなくちゃ、って思っていたのに。
陸さんのことで気持ちがいっぱいになって、忘れちゃってた。

最低、だよね。ボク。

「逆恨みだって、わかってるよ。おまえは、俺の親父のせいで死にかけて、今だって、走ることもできなくなって。けどさ」
「ごめん!ごめんなさい、ボクのせいで、林くんのお父さん、仕事も辞めちゃったって。悪いのはボクだったのに、ほんとうに、ごめんなさい」

ボクは、林くんの前に膝をついて、深く、頭を下げた。