「吉田?どうしたの?」

「俺、このあいだおまえに、ひどいこと言って。美知子に叱られた。自分で、気付かなかったんだ。マコトを傷つけるつもりじゃなかったし、侮辱するつもりでもなかった」

「わかってるよ。吉田は、ボクのこと考えて言ってくれたんだよね。ありがとう」

「マコト」


吉田が、ほっとしたように、笑う。

吉田、そんなに気にしてくれていたんだ。ボクのこと。


もう、忘れなくちゃ、ダメだよね。

誰も、ボクのことで、心配かけたくない。

ポケットの中には、まだ、陸さんの携帯電話が入っているけど。


これももう、返さなくちゃ。