「……マコト」 まだ明るいうちに、ボクは陸さんと別れて、帰ってきた。 夏休みの間くらいは、ちゃんとお寺のことも手伝いたいし、父さんの法事の付き添いもして、お寺の仕事も覚えたい。 父さんを裏切ってしまっている分、せめて、少しでも役に立ちたい。 それに。 ちゃんと手伝いしておけば、陸さんとの旅行も、行かせてもらえるかもしれない。 それはちょっと、ずるい考えかもしれないけど。 境内に入ったところで、後ろから声をかけられた。 振り返ると、吉田が、立っていた。