「ま、ブスじゃないけど俺は実紅とかのほうがいいかなー」

「そっか~...ん、へっ?!?あっあたし!??」


あたしがびっくりして立ち止まると

「どうかした?」と

不思議そうに廉もあしをとめた。


「えっえっ、今『実紅』って」


すると廉は動揺して鞄を落としたあたしに近寄って


あたしの鞄を持つと


「実紅とかみたいな素直な感じが俺はタイプ」



そして歩き出した。


...ドキッ。



なんで、なんで。


今まで普通の男友達だったのに


そんなこと言われたら変に意識しちゃうよ。


...どうしよう...どきん。



ちょっと前を歩く廉の後姿は


相変わらずだけど、あたしの目には


なんかいつもより男らしくかっこよくみえた。