エナメル質なショルダーバッグが水滴を部屋の床に落としていた。




今日はなにを話そうか…





そんなことを一人で喋るあなたを





あたしは






うつむいたままできいていた





何かを求めてはいけない





何かを期待してはいけない










…あなたに会うたび思う…






人は、なんて弱い生き物なのだろう







それでも、あなた言う






また来るよ。








あたしの小さな腕がのびて






無言であなたの濡れたワイシャツを掴んでいた







何を話そうか……




…雨が止むまで。







冬に雨が降っていても

雪が見れなくても


空の広さを忘れてしまっても









雨の日は、悪くない






* 雨 *