諷 花 抄


四角い箱のあたしに






いつ歩けるとも分からぬあたしに






会いにくるあなたをみるたび






あたしはたまらなく、胸が締め付けられる。





全身を慈悲無き雨に濡らしたあなたを見たとき






あたしは力ない手で、力一杯、布団の端を握りつけた






きっと、あなたは来なくなる






そう思ってから、あたしは自分を閉ざしてきた






いつか見捨てられるなら






最初から何もいらない





優しさは虚しい






あなたもいつかは……





そう思うと、心が縮むようにおもえた。