頼くんのお手伝いをしつつ、頭の中では誰なのか頼くんのお友達を思い出す。


コウヤくん?リョウくん?


「包丁は、怖いな…」


頼くんの呟きは私の耳には届かなかった。



「みーちゃん、みーちゃん」

「………」


「姉ちゃん!」

「うひゃう!」

私の耳横で叫ぶ頼くんにびっくりして、肩がビクッと震えた。
姉ちゃんと呼ばれたことにもビックリした。


「頼くん…ビックリするじゃないの…」


涙目で見つめる私に頼くんは笑う。