「こむらさん、私、尊敬してる方から言葉をいただけたんです。しかもとびっきりの。だから、審査員特別賞は、私にはとても大きい賞です」
「どういうことだ?」
いつの間にかコントローラーをタツくんに渡して私たちのところにきたキョウさんが聞いた。
キョウさんに続いてタツくんがソファーに座り、三人は完全に私の話を聞く体制になった。
「私の尊敬するデザイナーさん…あ、ツツジさんという方なんですけど…」
「「「え?」」」
三人の反応に私も思わず
「え?」
よくわからず反応してしまう。
「あ、すいません…。こなちゃん、続けて下さい…」
「あ、はい…」
三人の反応がすごく気になったけど、私は続ける
褒めてもらえたこと、でもちゃんと次の課題もおいていったこと。家族のこと、クロエさんのこと。
「あ、で、その方に僕たちでパーティーをプロデュースしたいね、って言ってもらえたんです。お仕事じゃない身内のなんですけど、彼と一緒にデザインできる、それが私にはとても大きいこと、なんで、す…ッ」
私は話していたら泣いていた。
おじさんの厳しい言葉が、優しい言葉が、胸の内からこみ上げてくる。
こむらさんはただ頭を撫でてくれて、
タツくんはなぜか抱きついてきて、
キョウさんはコーヒーを啜る。


