おじさんが帰って行ったあとすぐ、お母さんとお父さんが
「私、こなみの服をみて京都行きたくなったわ!神矢、行くわよ!」
と言ってお父さんを連れて京都に向かってしまった。
兄弟呆れて2人に手伝ってもらいながら帰る用意をしていたら、頼くんの携帯が鳴った。
「…ああん?今日は行かねえっつったろ!俺にも用事あんだよ、糞が。………あ?マジかよ。10分で行く。」
頼くんが口悪いときは、なんか大変なときだって神楽ちゃんが以前言っていた。
「唯人に呼ばれた。ごめん、みーちゃん。神楽、あと頼んだ」
「ううん、大丈夫だよ。むしろ朝からも手伝ってくれてありがとう、頼くん。唯人くんによろしくね!」
「ん。じゃ、行くわ」
私は頼くんに抱きついて、気をつけてねって言葉をかけてチュッパチャプスを1本、頼くんの口に入れた。
頼くんは、じゃあ咥えさすなよと苦笑いしながら行ってしまった。


