「わあああああ!大丈夫ですか!?」
「あ…す、すいません…。ありがとうございます…。」
私は足の痛みも忘れて、その人に駆け寄り、落とした譜面を一緒に拾う。
「はい!どーぞ!」
「なんか、本当にすいません…。」
「おっちょこちょいなんですね!」
「お恥ずかしい…」
「うふふ」
すっごく素敵な声。身体に染みる。
「素敵な声ですね。私の好みですよー」
「ぶはっ」
思ったことを口に出してた私を目の前に男性は噴き出して笑い始めた。それはもう堪えるような笑い方。
「ふっ…お、腹が…いた、はっ」
「お腹が痛いなら、大声で笑っていいですよ…?」