ーーー次の日。



なんだか外が騒がしい。



その騒ぎで目が覚めた。


と、同時に部屋のドアがノックされる。





「ミナト。入って。」


ミナト、というのは
コウの専属執事。
ミナトさんもヴァンパイアだ。
人間の執事をつけても
よかったんだけど、コウは
王子の地位にいる者。
危険が伴う以上、コウの身を
守れるヴァンパイアの執事を
つけたんだそうだ。

ミナトさんは、コウより少し
年上の25歳。
落ち着いていて、なんでも
できそうなお兄さん、という感じだ。




「コウ様。ただいま下で…『この騒がしいのはなに。』」


コウの寝起きは機嫌が悪い。
特に眠りを妨げられて、
無理やり起こされたとき。
ミナトさんの言葉を遮って
鬱陶しそうに聞いた。



「人間が訪ねてきました。」




…?!
人間?!




「はあ…ついにっていうか
もうきたんだ…。わかった、
すぐ行くよ。父さん今日仕事で
いないんだもんなあ…。」



国王は、仕事で朝早くから
家をあけているため、今この家で
一番えらいのはコウだ。



それにしても、人間が訪ねて
くることが、コウには
わかっていたみたいな言い方だ。



「リサ、君にも関係あるから。
すぐ準備して、応接間いくよ。」


「では、応接間でお待ちしております。」


ミナトさんがさがった。




私にも関係がある、ってなにかな…。
人間だからかな?







そんなことをかんがえながら
すばやく準備してコウと部屋を出た。