コウを起こさないように
起き上がって時計を見る。


朝の5時…。


変な時間に起きちゃったな。





夢で見たヒビトの
悲しい顔が忘れられない。



今、みんなはどうしているんだろう…。





もぞっと隣でコウが動く。



「どうしたの、起きちゃった?」



私を見上げて問う。




「ん…懐かしい夢を見たの。」


「それってさあ、"ヒビト"?」


「うん…」



するとコウは起き上がっている
私に、寝そべったまま抱きついてくる。



「まだヒビトのこと考えてるの?」


ぎゅうっと抱きしめる腕に
力をこめてくる。



「ここで暮らしてからはじめて
ヒビトの夢をみたの。」


「リサがあいつのことを忘れたって、
あいつは少しも忘れないんだ。
すごい執念を感じるよ…。
大丈夫、またいつか会えるよ。










ーーーいや、もうすぐ、かな?」





その意味深な言葉に心臓が跳ねる。






「どういう意味…?」



「うーん、そのうちわかるよ。
俺もうちょっと寝たいから
リサもはやく寝て?」








そう言って、寝かしつけられて
しまったからこれ以上は
聞くことができなかった。