「コウ、あーんして…?」
まるで、子どもにいうようだった。
18歳の私が、22歳の彼に。
「なんで…。だめだよ。」
ちらっと指の隙間から私を見る。
「いいから。言う通りにして。」
なんで、こんなに強気に
なれるんだろう。
コウの頬にふれて、親指を
口角に滑らせた。
すると、コウの口が、
ゆっくりとひらいていった。
見えたのは、
人間でいう犬歯がのびていて
鋭い牙だった。
少し触っただけでも傷つけ
られてしまいそうだった。
「リサ…?怖い?」
私にされるがままのコウが尋ねる。
「怖くないよ?コウは、
私を食べたりしないでしょう?」
コウの目を見据えて言う。
「そんなのわかんないよ?
だってキスしただけで食べちゃい
たくなったんだから。
いつ理性を失ってリサを
食べちゃうかわかんないよ?」
「コウになら、食べられてもいい。」

