初恋の人へ。




-16- 帰省


気持ちを伝えられないまま
終わってしまった、あの花火大会から
2週間ぐらいたった。

今日はお盆。
私はお母さんの実家にいる。



「沙良、買い物行ってきてちょうだい」

「えー・・・わかった」



お母さんにそう言われて、
私はめんどくさかったけれど
買い物に行くことにした。


さっきから琉生くんのことしか
頭に浮かばなくて、
琉生くんのことを考える時間を
少しでも減らしたかったから。