そう思っていた背後から、よく聞く声が聞こえた。
「……実亜」
振り向いた先にいるのは、mia。
一度は瀕死の状態だったにも関わらず、傷だらけだった体は癒えたのか、miaは自分の足でその場に立っていた。
「mia……」
「また実亜を殺そうって言うのか? それとも俺の記憶を消すか?」
私を背後に隠し、カイトが剣を抜く。
けど、きっとmiaにそんな気は無いって事を私はもう知っている。
「カイトやめっ」
「ごめんなさい……」
miaはゆっくりと頭を下げた。
傷は癒えても衣服はボロボロのまま。痛々しいその姿だけれど、凛とした佇まいで、深々と頭を下げた。
「……全部実亜の言った通り、私は死に場所を探してた。自分じゃ死ぬ事が出来なくて……でも、生きるのも辛かった……」
miaの声がブレル。
短い髪の隙間から、真珠のような涙が幾度も無く流れ落ちる。
「……でも初めは、出来る事なら……別の世界の私として、すり替わって……い、生きた……っ……」
声は裏返り、肩は震える。
それでも、彼女は懸命に言葉を紡いでゆく。