「わわっ!」
蛍光色は消え、今度はテレビで見かける様な大きな宮殿の中。
大きな柱が立ち並ぶ、何もないだだっ広いっ空間。
そんなところへ突然はじき出され、私の体は再び落下を始めた。
はじき出された場所は宮殿内の天井。
地面まで20メートル以上も離れている。さらに地面は冷たそうな大理石。
ーーあっ死ぬな、これ……。
とっさに過った言葉はこれだった。
脳裏に走る光景は自分の体が潰れたトマトのようにぐしゃりと落ちた後の様子。
私は一体、何の為にここに来たのか……。
死なないために来たのに、ノアはいなくなるし、この世界にはわけわかんないものばっかだし。
ーー生きるのって、こんなに大変だったっけ……?
地面がどんどん近づき、落下する重力に身を任せたその時。