なんかノアも大変なんだな、なんて思いつつ、自分には兄弟なんていないからあまりそういったのは分からない。

けど、私にとって兄弟のように近い存在だったのが、海斗だ。

兄弟のように当たり前にそばにいて、兄弟のように育った。


だけど私達は兄弟じゃない。


だから私は海斗の事を好きになった……。


だから私は海斗に気持ちを伝える事が出来なかった。


兄弟のようにそばにいすぎたから。

この関係が崩れるのも怖くて。

近すぎるからこそ、好きだなんて言葉を言うのが恥ずかしくて。

毎日変わらない、そんな日常は毎日続くんだって思ってたのに、ある日突然それは終わりを告げたんだ。


そしたら私に残ったものは後悔ばかりだった。


だから……。




「ノア……私もう一度ソーサリーに行きたいんだけど連れてってくれない?」


真っすぐ見る私に、真っすぐ見つめ返すノア。


「おねぇちゃん……なんか、変わったね」


そう言って暫くしたら、柔らかそうな頬を解し、にっこり微笑んだ。


笑った顔はほんと天使みたいだな……。