「私には弟がいる。普段は素っ気ないし、そんなに顔を合わせる事も、会話する事も少ないけれど、それでも弟は私の弟なの。
だから彼がこの世からいなくなるなんて考えられないし、もしそうなればすごく悲しい……だからmia、泣ける時は泣いてもいいのよ。今、涙を止める理由なんてないんだから」
気がつけば私はririaに抱きしめられていた。
暖かくて優しい匂いがする。
その温もりを感じながら、私はririaにしがみ付いた。
私が涙を流している間、ririaはただ静かに私を抱きしめてくれている。
その後は何をするわけでもなく、何を言うわけでもなく。
それがとても心地よくて、私はなかなか涙を止める事が出来ずにいた。
だけどいつまでも泣いてばかりはいられない。
次元を越えて、異世界を渡り歩き、やっと見えてきたものがある。
改めて気づかされた事がある。
だからーー。
「……riria」
「んー?」
「……私、ワームホールを作りたい。……作るの、手伝ってくれない?」