「2週間も寝てたんだもん。もうじっとなんてしてらんないよ」
そう言ってベッドから降りて立ち上がろうとした時、
「わわっ!」
「mia!」
思ったより足に力が入らなくって、転んでしまった。
「だから言ったでしょ。見た目は戻っても、体の中の細胞はまだ完全じゃないのよ。それでなくても皮膚を修復する為に細胞はいつも以上に働いたんだから、本当なら疲労困憊なはずなの」
「いっ、今のはずっと寝てたからちょっと体の感覚についてけなかっただけ。大丈夫、大丈夫」
「それが不完全な状態だって言ってるのよ」
ririaの手を借りて、私はベッドに腰をかけた。
「いい? miaはここで大人しくしてて、いいわね?」
「ぐっ……!」
「いいわ、ね?」
美人の威圧はこんなにも人を制圧する力があるんだって事、今日初めて知った。
「返事は?」
まだ続く威圧……これはもう、私の負けだ。
完膚無きまでの敗北。
「……はい」
「わかればよろしい!」
にっこり微笑み、満足した様子で再び彼女は立ち上がった。