「おら、あんた邪魔だよ!」
ドンッと思いきりぶつかられ、危うく倒れそうになった私は、必死に両足で踏ん張ってぶつかられた背後を見やる。
鋭く威嚇するような目つきで。
しかしその相手に驚き、一瞬で怯んだ。
「スッスライム!?」
昔、海斗がやってたゲームに出てくる敵キャラにそっくりで。
でもどこか愛くるしさを感じさせるキャラとは程遠い。
なんていうか、顔が……可愛くない。
SFホラー映画に出てきそうなリアル系。
単に形状が似てるだけというか……スライムと言っても、ぶつかられた時なんか硬かったし。痛かったし。
形状もどろっとしたアメーバ状の方だし。
見た目はバブルスライム系。
かつ、キングスライム並みデカい。
「こんな道のど真ん中でぼーっとないしてんじゃないわよ!」
フンっと鼻息を荒くしながら、アメーバ状のスライムはゾロゾロと身を引きずるように立ち去った。