同じ背丈、同じ顔、同じ声。

服装以外で唯一違うのは、髪の長さだ。

彼女の髪は腰まである長さで、私の髪はボブ。

私はこんなに長く伸ばした事が無い。

だからだろうか、彼女がとても凛々しく見えるのは……。


「私の事は以前の通り、ミアでいいわ」

「いいえそうはいきません。ミア様は力の象徴でもあるこの宮殿にふさわしい存在、最強のソーサレスとなられたのですから。分別はわきまえなければ……」


そう言ってカイトは私のそばで膝を折る。

その反対側からやって来たミアとカイトのやりとりを見ようと、私は脇に避けようとした。

このままではミアは私の体をすり抜けて行ってしまうから。

本来なら自分はここにいなかった。

いいや元々この世界の人間ではないけれど、それでも自分の意識はここにあって、この空間で起きていることをこの目で見ているわけで。

だからそんな自分の存在を無視して、体にぶつからずすり抜けられるあの感覚にはとても違和感を感じるのだ。

そう思っての行動でもあった。

……なのに。