しかしそんな闇の中で突如光るもの。

蛍の光りのように淡く自身を輝かせながら、私の脳を振動させた。


『ミアと同じ魂を持つ者よ……お前がその男の意識の中に入り、救い出してやればいい……』


意識の中に入って……?

私がカイトの中に……?


(一体どうやって……)

『我を掴んだまま、男の額にお前の額をすり合わせ……願え。さすればその願い……我が聞き届けよう……』

(……わかった。やってみる)


もう藁にもすがる思いだった。

ギュッと右手を強く握り締め、杖を掴み直す。

そのまま今度は額をカイトの額と合わせてた。

すぐそばにある、カイトの整った顔。

少し神経質そうな眉と、長いまつげ……こんな至近距離でこの顔を見るのはいつぶりだろうか。

きっと幼稚園の時、一緒にお昼寝をしていた時以来ではないだろうか。

……なんて、こんな時でも呑気な事を思い出しているいる自分に対して、ほんのり笑みが溢れそうになった。

けれど口元はキツく結んだままで、私はゆっくりと目を閉じた。