なるほど。
カイトにしては冴えてるじゃん。
古典的にも、ポンと手の平を叩き納得した。
(……ねぇ、迷宮の森までパッと移動出来たりする?)
『……容易だ』
(それって、力をたくさん使っちゃわない? 力は少し残し気味にしてて欲しいんだけど。あと、カイトも一緒に移動して欲しいし……)
『……問題無い』
ーー問題無い……?
えっ、あれ?
本当に私ってすごい力持ってるの……?
なんだかよく分からないけれど、杖がそう言うのなら大丈夫だろう……そう思ってとりあえず会話そのままをカイトに伝えた。
すると、さすがにカイトも驚いた様子で、ボソリと言葉を零した。
「……お前、本当にミア様と姉妹なのかもな……」
そんなひとりごとを、私は聞き漏らさなかった。
これできっと私に対する態度も改めるかもしれないな、なんて陽気な事を思いながら、軽い足取りで城壁を潜り外へ飛び出した。