だが、高山は、黙って万里の言葉を待つ。
きのこの事に関して、迂闊に質問したりしてしまうと、話が大幅に脱線していき、解決がどんどん遅くなるのを知っているからだ。


「ほていさーん
 ほていさーん
 おいしいしめじさーん♪」


また瑞希の謎の歌だ。


「そう、ホテイシメジです。」


まりあは、ああ、と一人納得した。
半分は予想でしかないが、さっき瑞希が木の下で歌っていた、布袋さん・仁王さんの歌は、このシメジの事だったのだ。


「そのホテイシメジとやらは、本当に毒きのこなのか?」


高山は、質問の発生源である瑛を、思わず振り返ってしまった。
なんてことを質問するんだ!と、心で叫びながら。