職員室で証拠をえられなかったはずのオーランドが、何故問題のきのこを手に入れられたか。

実は‥‥単なる偶然である。

瑛に嫌味の一つでも言われるだろうと覚悟しつつ、戻ろうとした時。
たまたま通りかかったご婦人が、きのこ部で珍しいきのこを買った。注意書き付きだと話していたので、頼み込んで貸してもらったのだ。


「大塚さん‥‥。」


高山は、万里の反応を待つ。

証拠が揃ったようだし、解決してくれるのではないか。
きのこの事などさっぱり分からないので、出来ればこの場で解決して欲しい。

万里は自信あり気に、目を光らせた。


「では、僕からこの事件の真相をお話しします。」


心の中で急かす瑛。

事故であればいいのにと、願うまりあ。

よくわかっていない、オーランドと瑞希。


それぞれの思いを背に、万里は赤ら顔の教師を真っ直ぐ射抜いた。