模擬店の裏手の植樹の根元で、枝を拾って集め出すという、よくわからない行動に出ると、それすら一瞬で飽きて、今度は落ちていたいちょうの葉を集め出す。

高校生達には、その行動の理由がさっぱり理解不能だ。


「いちょうさーん、
 いちょうさーん、
 ぎんこーるさーん♪」


誰も聞いたこともない歌を歌いながら、瑞希はいちょうの葉を集めるのに夢中になっている。


「ぎんこーるさーん♪って、なんや?」

「みずきちゃんは、ぎんなんを食べてはいけないのでーす。」


オーランドが質問してみても、よくわからない返答しか返ってこない。
突然、違う世界の住人と話をしているような気分である。
先ほどまでが話の通じる幼児だったので、落差は激しい。