瑛が泣かせてしまったので、一緒に来たという父親の名前も、まだ聞けていない。
眉間を寄せて考えるオーランドに、不思議そうな顔をしながらも、手に持ったじゃがバターの誘惑に勝てず、瑞希は食べ始めた。


「あー!もうちょいで出そうなんに、モヤモヤするわー!!」


一人悩むオーランド。
そこへ清良がベビーカステラを持ってやってきた。


「まだ悩んでるわけ?子役の子とかじゃないの?」

「ちゃうねん。もっと大人やと思う。」


呆れ顔で溜め息を吐かれたが、オーランドは悩むことを止められない。

幼児の機嫌を直すベストアイテムは食べ物と、清良は甘過ぎないベビーカステラを瑞希に食べるか聞きながら、間近でその顔を見て、あることを閃く。