幼なじみの二人。



【side秋斗】



キャーキャー




…毎朝うるせぇな。




女のこういう声が一番
耳に響くんだよ。




それに女たちが群がってくるから
千夏とも教室まで一緒に
行けないじゃねぇかよ!




『あぁー、うぜぇ。』




「今日も千夏と教室まで
一緒に行けなかったもんね。」




自分の教室に戻った俺と真冬は
今朝のことを話していた。




「それにしても今日も
千夏呼び出されるのかな?」




『ぜってー潰す。』




そう。



千夏はよく男に呼び出される。




理由は千夏が可愛いからだ。




昔から千夏は人気で
俺らがいないと危なかった。




それを本人もわかってないから困る。




クラスが違うから毎日
目を光らせないといけない。




「メールがきたら教えるよ。」




『あぁ。』




メールとは千夏の親友の女の彼氏からだ。



その彼氏はただの中継役だがな。




本命は千夏の親友だ。




そいつも千夏が大好きらしく
自分の彼氏を中継して俺らに情報をくれる。




その情報を元に
呼び出しした相手を脅してもらいたいらしい。




前に千夏とセットで会った時
千夏が少し席を離したら…



「私、千夏のこと
すっごく可愛いし、性格もいいから
大好きなんだよね。
そんな千夏を他の男にとられたくないわけ。だから協定を結ばない??」




って言ってきたときから始まった。





正直すごくありがたいけどな。




「あ、もうきた。」




『どこのどいつだよ?』




今日は早いな。




まぁ大方朝にでも下駄箱に手紙でも入れておいたんだろうけどな。




「3年の先輩だね。」




どの学年からもモテるよな、あいつ。




『で、いつ?』




「昼休み、屋上。」




『昼休みが楽しみだな。』