妖精と彼女【完】








あたしの顔を見て、彩音が不安そうな顔になる。
少し強い風が屋上に吹いて、彩音は目を細める。






「あれ…?違ったの…?」





違ったのって聞かれても、よく分からない。
だって、





「……分かんない…。あたし、気になってんのかなぁ?」






「…それは私にも分からないけどさ。」






彩音が困ったように笑う。
でも、あたしだって困ってる。






「だって…全然あたしの好みじゃない。」






「ちょっと前に話したじゃん、『気が付いたら好きになってることもあるんだから』……って。」






彩音にそう言われて、去年の夏休み明けに友達と話したことを思い出した。
そういうことを言っていた記憶がある。





「そういえば言ってたね。」





そう答えると、彩音は嬉しそうに頷く。





「そうそう。そーゆーのかもしれないよ。……あ、でもさぁ。」





「………ん?」





「そーいえば悠って、高木くんは好みじゃないから告白されたけど断ったんだよね?」





ふと、彩音に高木くんの話を振られ、少し前の出来事を思い返した。