『あー、まぁそれは良いんだけどさー…』
でも、彩音はその指摘は無視しながら自分の要件を話し出す。
……それはどうかと思う。
『ダメだったら良いんだけど、悠もお祭り来れるんなら来てよー。神社に来たら連絡して?一緒に回ろうよ!』
「んー、分かったあ。」
暑いし、今から出かけるの面倒だし。
行きたくないなー。行かないかなー。
そんなあたしの心を読んだのか…彩音は鋭い。
『んー…その感じだと来ないかもだね、分かったー。まぁ来ることがあったら連絡してよねー。じゃ!』
そう言って電話は切られた。
勝手に。
ふー…と息をつき、あたしは画面の暗くなったスマホをベッドに投げた。
若干扱いはヒドイけど、彩音は程よい距離感であたしと付き合ってくれている。
あんまりベタベタとした付き合いが好きではないあたしにとっては、これくらいが丁度いい。
それに比べてアイツはいっつもあたしの近くにいたがるし……。
ふと、ある人物のことを思い返していると、珍しくベランダへ続くガラス戸をコンコンと叩く音がした。
その人物は、あたしが今思い返していた人物だった。



