妖精と彼女【完】






かなりボソボソとボヤいているけど、あたしが愛の言葉を聞き漏らすわけがない。
ちゃんと聞こえてる。





でも、断る交換条件にあたしが出てくる理由が分からない。






「ねぇ…何であたしを紹介してほしいの?愛の友達って皆、お姉ちゃんいないの?」




そう言った瞬間、愛はひどく呆れた視線をこちらへ向けた。
……うぅ、冷たい。






「姉さんはさ…自分が周りからどう思われてるか、もっと理解した方が良いよ。」




「そんなん分からなくない……?」





あたしの反論を無視し、その後愛は出かけて行った。




その背中を見送り、予定通り観賞のお供を台所から自室に持ってくる。







今日は麦茶とチョコレート。
麦茶に入れた氷が、カラン…と夏らしい音を立てる。







もう銭湯も開店して両親は仕事。
愛も出かけたことで、あたしは今家に一人。

今日は祭りなのに、誰からも誘われないし……。







「あたしって、ぼっちじゃね……?」





そう思ってふとケータイに目を向け、スマホの画面を明るくすると、あることに気付く。






「ん…?」







………彩音からお祭りのお誘いメールがきてた。
しかも一時間前。