妖精と彼女【完】






トウは質問に答えないまま、あたしの観賞のお供を取りに行こうとして颯爽と部屋を出た……。






けれど、








「うわぁぁあ!愛くん!俺だよ、トウだよ!!ドロボーじゃないから!だから離し……うわぁぁ、ぎゃあああぉぁぁだ」







少し離れた場所からトウの騒ぐ声と、ガシャーンとかガチャガチャとか、何かが落下するような音が聞こえる。




……なにやってんの??






そして1分もしないうちに騒ぐ声は途切れ……。






あたしの観賞のお供は、何故か愛が持ってきた。




トウは、家の中を徘徊してた時に愛に見つかった。
愛はデッキブラシを駆使しながらトウを追い詰め、トウは玄関からつまみ出されたらしい。








「……あれ?じゃあこのマンガ本……」





ふとベッドの上に置きっ放しのマンガに目を向けた瞬間、ベランダに続くガラス戸が、外側からガラリと開いた。





「悠ちゃーん!ごっめーん、俺マンガ本置いてるよねー!」






「………。それ持ったらサッサと帰れ」









玄関から追い出しても、めげないコイツには意味がないようです。