妖精と彼女【完】








構うと更にトウはうるさくなっていくのを身を持って知っているあたしは、ベッドの上を見ないようにしながらソファに腰をおろす。




ベッドはソファの背中側にあるから、座ってしまえばトウの姿は見えなくなる。
姿は見えないものの、後ろ側からマンガのページをめくる乾いた音が聞こえる。


が、気にしないことにした。








テレビをつけて、DVDデッキを起動する。
デッキは静かに音を立てながら、再生の準備が進んでいく。





無音の中、再生の注意事項が画面に現れてそろそろ本編再生…っていうタイミングで、あたしはあることに気が付いた。






「あぁっ!」





あたしが突然声をあげてしまって、背後から自然を感じた。
気配からして、トウがこちらの様子を伺っているみたい。






「……あぁ、お茶とチョコレートがないね。取ってくるよ」





「あ………うん…」






トウが見事にあたしの足りなかったものを言い当てた。
でも、ちょっと気になることがある。







「…………ねぇ、何であたしの飛び出す刑事観賞グッズ知ってんの?取りに行くって言ってるけど、ウチの間取り把握してんの!?お茶とチョコレート置いてるとこ知ってんの!!??」







一気に詰め寄ると、トウはニコリと微笑みながら……
「悠ちゃんのことなら!!」
とグッと親指を立ててきた。






………… そ う い う こ と じ ゃ な く 、 質 問 に 答 え ろ ! !