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あたしが目を覚ましたのは、お祭りから二週間経った頃だった。
トウは、やっぱりお隣さんの子どもではいなくなっていた。
あたしはショックを受けることなく、ただ受け入れることが出来た。
愛は、本当は色々と知っていたらしい。ただ静かに、あたしが落ち着くまで傍に寄り添うようにいてくれた。
あんなに一緒に過ごした日々があっても、時が経てば嘘だったのではないかと思えてさえくる。
それでも、あたしには彼の面影が残っている。
「…3日もすれば治るって言ったのにね……嘘つきめ。」
結局、右手にはトウが手を掴んだ時の名残が残った。
目覚めた時には腫れはひいていたものの、肌が赤くなったままずっと治らない。
まるで火傷のように、いつになっても治らなかった。
今の整形外科の技術ならこれは治せるよって教えてもらったけれど、そんな気にならなかった。
それは既に、あたしの体の一部だった。



