自らの力を使い、情報操作を行って彼女の隣の家に居着いた。
霊感の強い弟がいることは想定外だった。きっと、妖精だなんて言っても信じてなかっただろう。
それには苦労した。
彼女の隣に居着いて数年。
彼女に冷たくされることもあったものの…とても楽しかった。
しかし、そんな毎日も長くは続かないことを……実は彼は知っていた。
一つの地に居着いてはいけない。
今の状態は、大変よろしい状態ではなかった。
全国の温泉の妖精から出てくるのは苦言ばかりだった。
こんな状況をずっと続けるわけにはいかなかった。
それは分かっていた。
近くないうちに訪れる別れを、彼は恐れていた。
そして彼女との思い出を欲しがった。
彼女と見に行った花火はとても美しく、変わらない美しさに寂しさを覚えた。
離れる日がきても、花火を見れば思い出してほしいと願った。
そして向かったお祭りで、彼女が石垣にぶつかりそうになったのを助けようとした。
彼女が怪我をしてしまわないように、一生懸命だった。
そして、無事石垣への衝突を避けた彼女は……意識を失い昏倒した。
やはり、一緒にいることなんて出来ない。
彼は、そう確信し目を伏せた。
そして今、二人は離別の場所にいる。



