妖精と彼女【完】











ふと、意識が浮上する。
眠っていたみたい。





いまいち状況がつかめないのと、記憶がハッキリしていないけれど、どうやらあたしは仰向けに寝ているらしい。




起き上がることができなくて、頭がボーッとする……。

なんとか力を振り絞り起き上がったけれど立ち上がることは出来ず、座り込んだ。







周囲を見渡すけれど、あたしが思っているような景色はなく、ますます状況がつかめない。








目に見える範囲は真っ白で、真っ白い部屋に太陽光が大量に降り注いでいるような………そんな空間。
そんなまばゆさに目を細める。








「……ここ、どこ…?」






少なくとも、あたしの知っている場所にこんなところはない。
そう呟くと、ぼんやりと彼の声が聞こえた。







「あ、悠ちゃん…目が覚めた?」






「……トウ…」







トウは、あたしの目の前に立っていた。
さっきまで、目の前には誰もいなかったのに……。




不思議だと思ったけれど、なんとなくあたしは理解していた。







ここは、あたしのいた現実ではない場所なのだろう…と。