妖精と彼女【完】











そう言うと、背後から「わぁ…」
と喜びの声がかすかに上がるのが聞こえた。

振り返ってはいないけれど、確実に明るい笑顔を浮かべているんだろう…。








「…今度……、そうだね。今度行く時の約束だね!これでまた悠ちゃんとお出かけできるなぁ」





なんて嬉しそうに言っていた。
あたしは、なんとなく恥ずかしくて。






「調子のらないでよ!」








なんてトウの方を振り返って言っていたら…

あたしは誰かと肩がぶつかった。









「きゃ…!」







あたしは足元のバランスを崩して、近くにある石垣にぶつかりそうになった。







「悠ちゃん!!!!!」








トウの手が、あたしへと伸びた。

初めて、彼の手があたしに触れた。











その瞬間……
触れた腕から全身にしびれるような痛み、めまいがして……





あたしは、意識を失った。







まぶたが落ちる前に、彼の絶望した顔が見えた気がした……。