自分が行きたいと行ったわりに、トウは人混みを避けるように一番端の出店の角に立ち尽くし、一切動かなかった。
人混みが苦手だと言っても、それはあまりにも不可解な行動だと思った。
「…ごめん、気になる出店もないし足痛くなってきちゃったし、今日は帰ろ?」
当然、トウは笑顔でそう言い出した。
さすがにそれには驚いた。
「はぁ!?アンタが行きたいって言ったんでしょ!?」
「ごめーん!なんかドッと疲れが!!」
疲れがきたという割りには元気な声がするけれど、それ以上を話すつもりはないらしい。
そんな雰囲気を感じる。
あたしはため息をついた。
トウを置いて、お祭りの出口へと先を歩き出す。
「…しょーがないなぁ。じゃあ帰ろっか。」
「ごめんねぇ、悠ちゃん」
「別に良いけど……今度行く時は、ちゃんと出店見て回ろうよ」



