妖精と彼女【完】












一際、大きな花火が空間を切り裂いた。
真っ赤な花が、空に舞う。





花火が明るく照らす光の中、彼は、やっといつもの笑顔を見せた。













しばらくトウとの会話に夢中になっていたらしく、アナウンスを聞いていなかった。



今のが、最後の花火だったらしい。
人が動き出すザワザワとした音が聞こえる。








先に立ち上がったトウから「帰ろ」、と促され立ち上がった。



いつも隣を歩くトウは、あたしの前を歩いた。








行きにも見かけたお祭りを見て、トウが「行きたい」とつぶやいた。
なので、行ってみることにした。






ザワザワとした喧騒の中に、楽しそうな声が聞こえる。
沢山の出店が出ていて、それは2年前のそれと同じだった。





キョロキョロと出店を見ていると、近くにトウがいないことに気がついた。
トウは意外なところに立っていた。







「……トウ?なにしてんの?」





「……いや、」