妖精と彼女【完】












その時、ハート型の花火が空へと打ち上がった。
真っ赤なハート型。






それを見ると、トウは「あ。」と声をあげた。






「……どうしたの?」





「今の花火はハート型なんてあるんだね…。昔はなかったのに。」






「…昔はなかったんだ?」






そう聞き返すと、トウはコクコクと頷いた。
まぁ、いつの時代と比べてるのか分からないけど。







「花火は変わってないと思ってたけど…やっぱり、変わってるところもあるんだね。」







花火は間髪をおかずドン、ドン、と空を彩る。
赤、緑、黄色……あたしにとっては「キレイ」としか感想がない花火でも、トウにとっては思うところがあるらしい。






ここまで聞いて、あたしはトウがこうなったキーワードのようなものに気がついた気がする。







「……ねぇ、何を落ち込んでるのか分からないけど、その「変わった」とか「変わってない」っていうのが気になるの?」







そう聞いた瞬間、弱々しい表情がこちらを向いた。
情けないかお。