妖精と彼女【完】









なんて子どもみたいにはしゃぐ姿を見ていると、ふと笑顔が浮かぶ。

トウが嬉しいのなら、あたしも嬉しいと思える。






トウも、そんな気持ちになったりするのかな…?






「……悠ちゃん?笑ってるの?」







目ざとくあたしの表情を読んだトウは、少し不思議そうにしている。
そんなトウに、素直になれそうになくてあたしは背を向ける。






「別に!……あ、当日だけど、銭湯の掃除してから行くから、そんな早い時間から行けないよ!」






はたから聞いたって可愛くないことを言っている自覚はある。
だけど、今更可愛いことなんて言えそうにない。





背中越しに、トウがくすっと微笑むような気配がした。






「大丈夫だよ!悠ちゃんのお仕事だもんね。……大丈夫、俺、待ってるから。」






「…ありがと。」








トウは嬉しそうに微笑んだ。
その笑顔が、むずがゆい。









あぁ、日曜日が待ち遠しい。
こんなに楽しみに思うなんて…。


どんな服を着て行こう?
どんな話しをしよう?



なんにも……決まってないのに、時間が過ぎていく。