妖精と彼女【完】












次の木曜日、トウが我が物顔でやってきたあたしの部屋で、夏休みに一緒に花火を見に行かないかと提案した。






するとトウはとても喜んで、二つ返事で了承した。




花火の日程を調べて、約束をした。
近くの神社ではお祭りもあるらしい。





トウはここ最近、花火を見たことがないらしい。






だからとても楽しみだと言っていて、はしゃぎ方がヤバかった。
ものすごくうるさくて、愛がやって来るかと思うくらい。






とても楽しそうに未来の花火の話をするトウを見て、あたしはホッとした。
そして、なんとなくドキドキした。








ドキドキしている理由も、だんだんと自覚してきている。


心地いいような、なんとなくうっすらと不安があるような…。
そんな気分。







そんな気分に浸っていたあたしを見て、突然トウがハッとした顔をした。
勢いが凄まじく、あたしもさすがに驚いた。






「え………何…今の?」





「……悠ちゃん、俺、とんでもないことに気づいちゃったかも…」







「………だから何?」






「そういえば先週、レポート提出が明日までだって言ってた気がするんだけどレポート終わったの?」

























空気が凍った。







「あとちょっと…で終わる………から終わってない!!!!!!」








すっかり忘れてたー!
こいつがうるさいから!!






あたしのレポートへの凄まじい気迫に、さすがに空気を読んだらしく、トウは焦りながら荷物をまとめ帰ってくれた。







次の日、レポートは何とか提出された。







それ以降も、忙しい日が続いたけれど……。
トウとの花火がなんだかんだ楽しみで、張り合いがあった。