妖精と彼女【完】










多分、何も考えていないトウは更におねだりしてくる。







「悠ちゃん、本当にだめ?一回で良いから行きたいよ〜」




「無理。忙しい。遊びに行っても、アンタとやることがない。」







恥ずかしさやらを悟られないように、勢いよくきっぱりと言い切るとトウが「えぇ〜…」と残念そうに呟く。





本当は、やることがないんじゃなくて分からないだけなんだけど。
そんな恥ずかしいことを暴露する必要はない。






ここまでは割と何回か行われたやり取り。
今日もまたトウの粘り腰が始まるかと思ったけど、そんなことはなかった。














「ちぇー、そうかー。……ま、悠ちゃんがそう言うなら仕方ないかー…。残念だけど。」





トウは、とても珍しくアッサリと引き下がった。
寂しそうな表情のまま、笑った。






「………?」






いつもとは違う雰囲気に、あたしはパソコンから目を離した。

ベッドの上にマンガを広げ寝そべるトウは、ニコニコしているものの…いつもよりも沈んでいるように見えた。





トウはあたしの視線を受けていることに気付いて、マンガを閉じてベッドを降りた。
そして、ゆっくりとあたしの方へと近づいてきた。