妖精と彼女【完】










いつもトウは変わりなく、あたしのベッドを陣取りながらマンガを読んだり本を読んだり。
勝手にあたしの飛び出す刑事のDVDを見ていたりするけど、これは許せない。






あたしも変わりなく、時々飛び出すレポート提出に苦戦している。
そして勉強の合間を見て、トウはあたしに話しかける。





前までは俺の話聞いて!とかよく訴えていたけれど、最近は少し変わった。
あたしが少しだけ返事をするようになったからかもしれない。











最近の、アイツのもっぱらの話題は……
















「ねー悠ちゃん、遊びに行こうよ」




「………それ何回目?」





「一回も行ったことないじゃん!俺が頻繁に誘ってるみたいに言うのやめてもらって良いかなぁ!?」







いつものようにあたしに噛み付くように反論したトウは、わざと悲しそうな顔をする。



初めてその顔を見た時はギョッとしたけど、最近ではスルーしている。
あたしの視線はパソコンから離れない。




…というか、視線を離してしまったら最後。
トウの見るのも恥ずかしいし、どこ見て良いか分からない…。






「遊びに行こう」なんて誘われても、これまでの人生で放課後には銭湯の掃除しかしてなかったあたしには、どんなところに行けば良いのかも分からない。






…トウは妖精だし、人間の遊びの定番なんて知らないかもしれない。




………でも、こーゆーのデート…って言うんじゃないの……?
それはちょっと……恥ずかしい。