妖精と彼女【完】









そのお店での食事はとても美味しかった。



お祝いコースだと言って、サラダ、オムライス、パスタ、ピザ、デサート…とやたらと炭水化物を出された。







途中で、テンションの高いマスターを名乗る長髪の男性があいさつに来てくれた。
口調がオネェで、激しくビックリした。




マスターはあたしたち姉弟のことを、やたら「綺麗」とか「カッコ良い」とか褒めちぎっていた。







「お姉ちゃんが綺麗すぎてハゲる!」とか。


あと、「洸ちゃんに似て無表情だけど、弟クンの方がとってもカッコいいわー!好き!!付き合って!」とか。

多分、洸ちゃんってのはさっきの無表情な店員さんのことだろうけど。








愛は表情は変わっていないものの、突然出てきたオネェなマスターに完全に引いていた。
ナチュラルに告白されてたし。



でも、表情には出ない愛の戸惑いを、マスターには分かったように見えた。






その後は程よい距離感を保って、愛が嫌がらない話題で会話を続けたマスター。
そんなオネェに、結局愛は少しだけ心を許したようだった。